草冠に湯【蕩】読み方は“トウ・うご・とろ”。“蕩れ”は“とれ”と読ませるラノベ造語。
“蕩”の字を目にしたとき、「何と読むんだろう」と思って“草冠に湯”と検索しますよね。
ある有名なラノベでは“蕩れ”という表現も出てきたりして、目にする機会は増えているのでしょう。
しかし“蕩れ”は造語ですので、その表現を知らない人の前で言ってしまうと、
「何言ってんの?」という反応をされ、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
さて今回は、“蕩”の正しい読み方のお話です。
さらに下に“皿”がくっついた、“蘯”の字についてもお話しします。
“蕩”の読み方
音読み
“トウ”と読みます。
“トウ”と読ませる熟語は、
- 蕩子(とうし)
- 蕩然(とうぜん)
といったものが例です。
“蕩子”とは、ごろつきや道楽者のことです。
“蕩然”とは、なにもなくなってしまった様子を表す言葉です。
訓読み
“うご”または“とろ”と読みます。
“蕩く”で“うごく”と読み、“動く”と同じ意味です。
“蕩ける”は“とろける”と読みます。
蕩れ
化物語で、“蕩れ”という表現が使われ、正式な表現と思って使っている人もいるかもしれません。
意味としては、“萌え”の一段上の表現になるというのが、造語者(戦場ヶ原ひたぎ:実質は西尾維新)の言い分ですね。
しかし冒頭でも言いましたように、造語です。
そのラノベが好きな人と話しているときは“蕩れ”で通じるかもしれませんが、その前提がなければ、「通じない」と思って話すのがいいかと思います。
とくに社会に出てから使ってしまうと、
「理解できない言葉を使う、コミュニケーションをスムーズに図る意思のない人」
と思われ、若干距離を置かれてしまうことは十分にあり得ます。
化物語はアニメ化もされていますから、かなり有名なタイトルになりますが、それでも“蕩れ”は社会一般で認められる言葉になるとは思えません。
用法・容量を守って、適切に使用しましよう。
蘯は異体字
“蘯”は“蕩”の異体字で、許容字体です。
同じ意味・読み方で使って問題ありませんが、そうであれば画数少ないほうが使いやすいですよね。
また草冠を外した“盪”も異体字であり、同じ意味・読み方で使って問題ありません。
しかしやはり“蕩”のほうが画数少ないので使いやすいですね。
まとめ
“蕩”の読み方は
- トウ
- うご
- とろ
です。
相手に伝わる前提であれば、正しくはありませんが、“蕩れ”もナシではありません。
異体字として“蘯”と“盪”がありますが、画数を考えれば“蕩”が使いやすいですね。
今回はここまでとします。
ありがとうございました。