【妊娠16週目】赤ちゃんとお母さんのお腹の様子・気をつけることは?
妊娠16週目になりました。これは妊娠中期に入ったところです。この時期を安定期といいます。
つわりが軽くなり、食欲が増して困ってしまうという妊婦さんもいるのではないでしょうか。
今回は、「妊娠16週目・安定期に入った赤ちゃんとお母さんのお腹の様子、気をつけること」をご紹介していきますね。
赤ちゃんの様子
- 児頭大横径(BPD):29mm~37mm
- 胎毛という産毛が生えてきます
- 前頭葉が発達してきます
- まばたきや飲み込むなどの動きができるようになります
- 体の動きが活発になります
- 骨が強くなり、爪がはえ、筋肉がつき始めます
- 皮下脂肪がついてきます
- 耳が聞こえ始めます
(→児頭大横径(BPD)についての解説はこちら)
妊娠16週目の赤ちゃんは、身長が110mm~140mm、体重は60g~120g程度になります。骨がしっかりとしてくるので動きが活発になるので、この時期から胎動を感じ始める妊婦さんも多くなります。
赤ちゃんが元気に育っている証拠です、嬉しいことですね。
胎毛とは、羊水の刺激から全身を守る産毛のことです。これは赤ちゃんの皮膚細胞が完成する妊娠後期には、抜けてしまいます。
そして、このころから耳が聞こえ始めると言われています。もちろん、何の音なのかを聞き分けることなどできません。でも、お母さんの声で優しく話しかけ続けると、その声を覚えてくれるかもしれませんね。
このころのエコー画像
お母さんの様子
お腹の様子
- 子宮の大きさは子供の頭くらいの大きさになります
- 子宮底長は10㎝~15㎝程度です
- 15週に引き続き、お腹の張りを感じることがあります
安定期に入ると、お腹が目立ち始める妊婦さんが多く見られます。もちろん、個人差があるので「目立ってない、きっと赤ちゃんが小さいからだ」などと悲観はしないようにしましょう。
また、このころから産婦人科や助産院で「子宮底長」を測り始めます。仰向けに寝た状態で、恥骨から子宮上部までをメジャーで測定します。
これは、子宮のふくらみの数値を測っているのです。これによって、子宮の中の胎児の発育や羊水の量の目安を知ることができます。
人の手でメジャーを使って測るので、当然誤差が出てきます。さらに、個人差もあります。「16週目なのに、10㎝もない……」と落胆する必要はありません。
短すぎる、あるいは長すぎるという場合は、この後、超音波検査で異常があるかを確認します。短すぎる場合は羊水が少ない、あるいは赤ちゃんの発育不良ということが考えられ、長すぎる場合は羊水過多、多胎などが考えられます。
超音波検査で異常が見られない場合は、気にしすぎないようにしましょう。子宮底長はあくまで、「目安」です。
お腹の張りを感じるときは、無理に動かず、体を横にして下さい。この場合は、しっかり安静にしましょう。
張りが治まらず、強くなった、または痛みをともなってきた場合などは、すみやかに病院へ行きましょう。張り止めの薬を処方してくれることがあります。
また、下記で詳しく説明しますが、「切迫流産」の危険もあります。
その他の体の変化
- つわりが治まり、食欲が増進します
- 乳房が張ってきます
- 皮下脂肪が増え、ふっくらとした体になります
このころから乳房が張ってきます。内側からムズムズ、チクチクするような痛みや痒みを感じる妊婦さんもいます。
これは母乳をつくる準備で、乳腺が発達しているからなのです。乳頭から黄色っぽい分泌液がでることがありますが、これは母乳をつくる準備のためのものなので心配しないでくださいね。
乳房が大きくなってくるということは、いつも身に着けていたブラジャーのサイズが合わなくなるということです。
このタイミングで、マタニティ用の下着に替えることをおすすめします。妊娠中、授乳期は通常よりも大体1~2サイズほど大きくなりますが、中には3サイズも乳房が大きくなるという妊婦さんもいるようです。
マタニティブラジャーはワイヤー入りではないから、バストラインが気になる……とご心配の方もいると思います。ご安心を。最近ではワイヤー入りのマタニティブラジャーも多く取り扱われています。
お仕事や外出時、バストラインを気にしないですむのは嬉しいですね。
胸だけでなく、お腹も目立ち始めることから、締め付けのないゆったりとしたマタニティウェアを着用することもおすすめします。
安定期に入ると、つわりが治まってくる妊婦さんが増えてきます。
治まるのは嬉しいことですが、今まで食べられなかったストレスの反動で、大量に食べてしまう妊婦さんもいます。
急激な体重増加は、体中に妊娠線をつくる原因になります。妊娠線だけでなく、命にもかかわる妊娠中毒症も引き起こしかねません。
食べたい気持をグッと抑え、適度に栄養バランスを考えて食べるようにしましょう。
妊娠中は赤ちゃんにも栄養がいくぶん、ママはバランスよく、多くの栄養をとることが望まれます。
つぎの記事に
「この栄養素はこれくらいとることが推奨されていて、どんな食品に多く含まれているか」
をまとめています。
赤ちゃんの成長のために、そしてなによりあなた自身の健康のために、紹介します。
ちなみに、体重増加ではなく急激なバストアップでも油断をしていると乳房に妊娠線ができてしまうようです。
肌を乾燥させないよう、クリームやオイルでケアすることをお忘れなく!
妊娠線は、一度画像をみておいたほうがいいでしょう。つぎの記事にあります。
→【妊娠線画像・妊娠線写真】これはできれば防ぎたい!妊娠中~産後
この時期に気をつけること
切迫流産の危険
安定期に入ると、自然流産の確率は減ります。が、このころから切迫流産の危険性が出てきます。
「切迫流産」といっても、「流産」ではありません。流産の危険があるという状態です。珍しいことではなく、約15%の妊婦さんに見られるものなのです。
症状としては、出血、お腹の痛みなどです。「ちょっと痛いけれど、平気かな?」と軽く思わず、すみやかに医師に診てもらいましょう。
切迫流産の原因として挙げられているのが下記になります。
- 子宮頸管無力症
- 子宮筋腫
- 絨毛膜下血腫・絨毛膜羊膜炎
- 感染症
- 胎児の染色体異常
- 過度の運動、過労、冷え性など
治療には子宮収縮抑制剤や止血剤などが用いられます。症状が重い場合は、入院になることもあります。
切迫流産と診断されたら、とにかく安静にしましょう。できれば家事はパートナーに任せ、お風呂なども避けた方がいいようです。
不安だし、寝ているばかりでつまらないかもしれません。でも、元気な赤ちゃんと会うためです、できる限り動かないようにしましょう。
子宮頚管無力症や子宮筋腫などは、自分で防ぐことが難しく、治療は医師に任せるしかありません。
それでも、「少しでも自分でなんとかしたい」と思うものですよね。そこで、妊婦さん自身でできる対策を紹介します。
- 激しい運動、長時間の立ち仕事は避ける
- 仕事をしている方は、適度に休憩をする
- 体を冷やさないよう、冷たい飲み物は避ける、またはがぶ飲みしない
- 靴下や腹帯で体の外側から温める
- しょうがやゴボウなどの根菜を積極的にとり、内側から温める
この時期、まだまだ仕事をされている妊婦さんは多いでしょう。
安定期に入ったので体調的には働きやすくはなりますが、ハードワークは切迫流産を引き起こしかねません。やはり、仕事量をセーブしながら働くのが望ましいと言えますね。
冷えは女性に多くみられる症状です。夏場でも手足が冷えているという方は要注意です。
まずは薄着を避け、上記の「外側から温める」「内側から温める」を実践してみましょう。ノンカフェインの温かい飲み物(麦茶やルイボスティーなど)もおすすめです。
また、妊娠16週ごろになると、「戌の日」に神社などで安産の祈祷を受ける妊婦さんが多く見られます。犬は安産なので、それにあやかろうということなのです。
祈祷を受けると、腹帯をもらえる場合があります。安産祈願の腹帯ですが、これを巻くことで冷えを緩和することも可能です。慣れるまで巻くのは手間ですが、ぜひ活用したいところですね。
ちなみに、この腹帯は産後も骨盤固定や腰痛予防に使え、さらにオムツにもなるので、とても便利です。
もちろん、冷えの緩和には妊婦さん用の腹巻でも大丈夫ですよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回は、「妊娠16週・安定期に入った赤ちゃんとお母さんのお腹の様子、気をつけること」についてお話ししてきました。
赤ちゃんもますます活発に動くようになり、初めて胎動を感じると嬉しい気持ちになりますよね。お母さんになったのだと実感しますよね。
また、妊娠16週は安定期に入り、お母さんの体調も良くなることが多いのですが、切迫流産の危険もあるということがお分かりいただけたかと思います。切迫流産の診断をされた場合は、必ず安静にしましょう。
そして、戌の日の安産祈願、これは妊婦さんならではのイベントです。体調もよく、外出が楽しくなる時期ですので、お近くの神社などに祈祷を受けに出向いてみるのはいかがでしょうか?
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