竹冠に二【竺】読み方は“ジク・チク・トク”。天竺は“てんじく”。
とくにファッションセンターで服を選んでいるとき、“竺”という字を目にしますよね。
“天竺編み”というやつです。
「なんかすごそうだけど、何と読むんだろう」
と、編み方よりも読み方のほうが気になって、“竹冠に二”と検索したりしますよね。
“天竺編み”は“てんじくあみ”と読みます。
ほかにも読み方はありますので、以下で紹介します。
そして“天竺編み”とはどういうものかも軽くまとめます。
“竺”の読み方と意味
音読み
“チク”または“トク”と読みます。
“チク”と読むとき、意味は“竹”と同じで、
“トク”と読むとき、意味は“篤”と同じようです。
慣用音
“ジク”と読むのは、本来の音読みとは違いますが、日常的にそう読まれているので、慣用音としての立ち位置です。
「てんじくてんじく読まれてるし、“じく”も認めていいよね」
という感じの漢字です。
参考:明解漢和辞典 – 三省堂
天竺編みとは
ニットの編み方の一種で、平編みの別名です。
そして棒針編みにおいてはメリヤス編みとも呼ばれる編み方です。
細い繊維より太い繊維のほうが、どういう編み目なのかわかりやすいと思いましたので、
ひとつメリヤス編みの動画を紹介します。
一言で「メリヤス編み」と言っても、
- フランス式
- アメリカ式
- そのほか
と、流派のようなものがあり、奥が深いですね。
では、ほかの編み方とはどう違うのでしょうか?
編み方で出る違いを知っておくと、自分に合った服を選びやすいですね。
天竺編みとフライス編みで変わるもの
シャツ、セーター、アンダーウェアあたりでは、天竺編みのものとフライス編みのものが多く流通しています。
天竺編みも、フライス編みも、横に伸びやすいという特徴があります。
比較すると、フライス編みのほうがかなり横に伸びます。
同じサイズでも、天竺編みよりフライス編みのほうが小さめに作られていて、着るとピタッとくる感じになります。
フライス編みのものなら、アウターへの影響が少ないですね。
天竺編みのものは、同じサイズでもフライス編みよりゆったり作られています。
「アンダーウェアだけど、アウターとしても使う」といった夏場のTシャツは、天竺編みのものを選んだ方が良さそうですね。
ところで、なぜ“天竺”編みと呼ばれるのでしょう?
なぜ“天竺”編みか
昔の日本人は、インドのことを“天竺”と呼んでいました。
そしてインドで採れた綿を、“天竺木綿”と呼び、
インドで作られた平織りの綿織物も、“天竺”と呼んでいました。
つまり最初は編み方で分類していたのか、生産地で分類していたのか、区別があいまいだったところが、
今では編み方自体を“天竺編み”と呼ぶようになっていますし、
天竺編みで作られた布は“天竺素材”と呼ぶようになっています。
昔は、“フランスから入ってきた天竺素材”なんてありえない表現だったでしょうが、
今なら「フランスから輸入した、天竺編みの布」と理解することができますね。
まとめ
“竺”読み方は“ジク・チク・トク”です。
ただし“ジク”は慣用音に分類されます。
今回は天竺編みとフライス編みの違いにも触れました。
これで服を選ぶとき、編み方まで見て、あなたに合ったものを選べるようになりましたね。
おめでとうございます。