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【妊娠12週目】赤ちゃんとお母さんのお腹の様子・気をつけたいこと

子ども
 

妊娠12週目に入りましたね。

おなかが少しずつ大きくなって赤ちゃんの存在を感じる一方で、検診が4週に1回に減り、
赤ちゃんの成長がどうなっているのか心配になってしまうのではないでしょうか。

そこで今回はエコーではよくわからないこの頃の赤ちゃんの様子を紹介します。

また、お母さんのお腹の様子の変化も見ていきましょう。

※BPD値は「日本産科婦人科学会 超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値について」を参照しております。

赤ちゃんの様子

妊娠12週目赤ちゃんエコー画像

  • 児頭大横径(BPD):15.4mm~24.1mm(平均値:19.3mm 12週0日基準値より)
  • へその緒にあった腸がおなかの中におさまる
  • 消化器官が機能し始める
  • 呼吸の練習を始める
  • 声帯が作られ始める
  • 永久歯の基礎がつくられていく
  • 体毛が生え、より人間らしい顔つきに
  • 羊水の中で活発に動き始める
  • 皮膚が発達し、不透明になってくる
  • 耳の形ができあがり始める

(→BPDの説明はこちら

この頃の赤ちゃんは身長6~7cm、体重は15~20gほどになります。
この数字はあくまでも平均ですから、これより大きくても小さくても、医師から特別なこと(病気があります等)を言われなければ、心配しすぎることはありません。「ちょっと小さいですね」くらいなら、何の異常もないことがほとんどです。
どうしても心配でしたら、医師に「小さいということは、何か異常があるのですか?」と聞いてみましょう。

これまで、赤ちゃんの腸は体の皮膚が未熟なため「生理的臍帯ヘルニア」といっておへそから少しだけはみ出していました。
妊娠12週になると完全におなかの皮膚ができあがるので、腸は下腹部におさまり消化器官が機能し始めます。

顔まわりもより赤ちゃんらしく成長していきます。

体毛がはえ、目が顔の正面にでき、顔の脇では耳の形成も始まります。
口の中ではすでに作られていた乳歯の芽が成長して20本の乳歯ができています。
歯槽骨もできあがり始め、永久歯の基礎がつくられていきます。

また赤ちゃんはこの頃から肺に羊水を出し入れすることで横隔膜を動かし、呼吸の練習をし始めるといわれています。
そしてまだ胎動として感じることはできませんが、赤ちゃんは手や足を動かしたりしゃっくりしたりと毎日活発に動いています。

エコーでは赤ちゃんが動くところを見られるかもしれません。動くだけでなく、ときには跳ねたり、元気に動いていること自体はいいことなのですが、産まれてから多動や発達障害がわかった親の中に「そういえば、お腹の中でもよく動いていた」と、胎動と関連付けて話をする人がいて、
胎動が活発=病気
と心配される妊婦さんが増えています。

関連がまったくないとは言い切れませんが、胎児のころに良く動き回っていた赤ちゃんでも、特段の病気なく、元気に産まれ、健康に育っている子がたくさんいます。心配しすぎることがストレスになり、あなたの健康や赤ちゃんの成長に悪影響を与えますので、どうしても心配でしたら、医師に「良く動いている赤ちゃんは障害があるかもという話を聞いたことがあるのですが、うちの子はどうなのでしょうか?」と聞いてみましょう。

医師も「傾向としてはそういったことがあるかもしれませんが、この子がどうかは言い切れません」といった答えしか返せないはずです。
エコーで何か異常が見つかれば医師のほうから教えてくれるはずですので、医師から特別変わったことを言われなければ、あなたは心配する必要はないのです。

赤ちゃんの様子が気になるのは当然ですが、気にしていても、できることがほとんどないというのが現実です。赤ちゃんのために、今のあなたにできることは、あなた自身の体調を管理することです。
それでは、お母さんの様子を見ていきましょう。

 

お母さんの様子

お腹の様子

  • 子宮の大きさはこぶし2つ分ほど
  • おなかが膨らみ始める方が増えます

妊娠12週目になると子宮の大きさはグレープフルーツ大から握りこぶし2つ分ほどになります。
妊娠前の子宮はだいたい卵1つ分ほどの大きさですからだいぶ大きくなりましたね。

子宮が大きくなることで、便秘・腰痛・頻尿の症状が強くなる方がいます。特に膀胱は子宮の表側にありますので真っ先に圧迫されてしまうのです。
子宮がもう少し大きくなって、おなかの上の方に上がってくると少し楽になるという方もいます。

おなかが膨らみ始めて下着がきつく感じるようならマタニティ下着に切り替えることをオススメします。
ストッキングやレギンスなども腹圧をかけてしまうので、マタニティ用を使ってもよいと思います。

 

その他の変化

  • 腰痛、便秘、頻尿が強くなる方がいます
  • 基礎体温が下がり始めます
  • つわりが落ち着く方が増えます

つわりが落ち着く方が増えるのもこの時期からです。
つわりが終わると今まで食べられなかった反動で食べ過ぎてしまう方も…。

また「赤ちゃんとお母さんの二人分食べないと!」という方もいらっしゃいますが、急激な体重増加は難産や妊娠高血圧症などの様々なリスクを背負ってしまう可能性もあります。
かといって体重増加を気にするあまり、無理なダイエットをしてしまうと低体重児出産のリスクや赤ちゃんの将来に悪影響をおよぼす可能性もあります。

つわりによる体重の減少がなければ、この時期(妊娠4週から15週まで)の体重は妊娠前に比べて+2kg未満が理想だといわれていますから、赤ちゃんのためにも栄養素を考えてバランスよく食べましょう。

つぎの記事に
「この栄養素はこれくらいとることが推奨されていて、どんな食品に多く含まれているか」
をまとめています。
赤ちゃんの成長のために、そしてなによりあなた自身の健康のために、紹介します。
妊婦さん必見!妊娠中に好ましい食事、避けたい食事!

この時期に気をつけること

腹圧

妊娠12週は少しおなかが膨らんできた時期ですので、無意識のうちにおなかに圧力をかけてしまいがちです。

まだ妊娠4ヶ月に入ったばかりなのにマタニティウェアを着るということに抵抗があるお母さんも多いです。
ですが、小さくても赤ちゃんはおなかにいます。赤ちゃんの負担になってしまいますのでできるだけ腹圧をかけないようにしましょう。

腹圧を最小限にするためには、

  • 前かがみになる姿勢はなるべく避ける
  • 便秘のときは無理をせず医師に相談する(無理に出そうとすると腹圧がかかってしまいます)
  • くしゃみや咳をするときはどこかに手をついて体の重心をずらす
  • ベルトやガードルなどでおなかを締め付けない
  • 服や下着が苦しいと感じたらサイズを上げるかマタニティ用にする

を気をつけるとよいです。

くしゃみや咳をするとおなかが張るという方もいらっしゃいます。
おなかが張ったときは無理をせず、横になって体を休めてくださいね。

出血がある場合や他に違和感がある場合は、まず病院に相談してみることをオススメします。

 

膀胱炎

妊娠12週になると、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するので頻繁にトイレに行きたくなるお母さんが増えてきます。
何度もトイレに行きたくなるのでつい我慢してしまうお母さんが多いのですが、この我慢が「膀胱炎」という病気につながってしまう心配があります。

  • 頻尿(トイレに行ったばかりですぐに行きたくなる)
  • 残尿感(トイレに行っても出しきれていない感じが残る)
  • 排尿時の痛み
  • 血尿、尿の濁り
  • 尿のにおいがきつくなる

これら症状が現れたら一度病院に相談しましょう。

 

膀胱炎とは「細菌が膀胱に入り炎症が起こる病気」です。
妊娠中は免疫力が落ちていて菌に弱い上に子宮が常に膀胱を圧迫しているので、膀胱炎にかかりやすいといわれています。

一度なると再発しやすく、膀胱で増えた細菌が腎盂まで進むと腎盂炎(腎盂腎炎)になってしまうことも。病気の連鎖をさせないためにも、下記に気をつけて予防を心がけてくださいね。

膀胱炎を予防する方法は、

  • 手洗いをする
  • トイレを我慢しない
  • 水分をたっぷり摂る
  • 清潔な下着を身に着ける
  • おりものシートはこまめに替える
  • トイレの後、拭く順番を「前から後ろ」にする

です。

膀胱に尿がたまると菌が繁殖しやすくなります。
また、トイレが近いことを気にして水分を控えると膀胱にたまった菌の排出ができなくなりますし、尿路感染症にかかることもありますので気をつけてくださいね。

もし、膀胱炎になってしまっていても病院では赤ちゃんに影響のない薬を処方してくださるので大丈夫ですよ。
心配な方はぜひ医師や看護師さんに相談しましょう。

 

カルシウムを摂りましょう

ヨーグルト

妊娠12週の赤ちゃんは骨が硬くなり永久歯のもとを作り始める時期ですので、たくさんのカルシウムを必要としています。
このときにカルシウムが不足してしまうと、お母さんの骨や歯からカルシウムを取って行ってしまいます。

また赤ちゃんの歯のエナメル質にも悪い影響を与えてしまうといわれています。
妊娠中はカルシウムの吸収が高まりますから、効率よく積極的にカルシウムを摂ってくださいね。

  • 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
  • 魚介類(イワシ、煮干し、ちりめんじゃこなど)
  • 大豆製品(木綿豆腐、高野豆腐、納豆など)
  • 野菜類(小松菜、切干大根、大根の葉など)
  • 海藻類(ひじき、わかめ、あおのりなど)

がカルシウムを多く含む食品です。

カルシウムの吸収にはビタミンDが必要ですので、ビタミンDを含む食品(きのこ類や魚類、鶏卵)を組み合わせて食事をするとなお良いでしょう。

なおビタミンDは日光に当たることで体内でも作り出すことができます。
食事で摂取するとともに、つわりが治まって体の調子が良いときには無理のない範囲で日光浴をすることをオススメします。

※カルシウムには摂取上限があります。1日の摂取量は2500mgを超えないようにしてくださいね。

 

ほかにもいろんな栄養素が必要になってきますので、一度はつぎの記事でチェックしておきましょう。
妊婦さん必見!妊娠中に好ましい食事、避けたい食事!

 

また、葉酸については厚生労働省がサプリでの摂取を推奨していますが、遺伝子的にリスクが高い人もいます。
つぎの記事にわかりやすくまとめてありますので、読んで納得したうえで摂取しましょう。
あなたの遺伝子は大丈夫?葉酸の代謝が苦手な人は気をつけて!

 

妊娠線

お腹が膨らみはじめるころ、気をつけたいのは妊娠線です。

まずはつぎの記事で妊娠線を見てもらって、それから対策するかどうか考えることをおすすめします。
【妊娠線画像・妊娠線写真】これはできれば防ぎたい!妊娠中~産後

まとめ

妊娠12週に入ると検診が4週に1回になる方が多く、赤ちゃんの様子を直接見る機会が減って心配になってしまう方もいらっしゃると思います。

まだ胎動も感じないためので心配になっても確かめる方法がないのがこの頃です。
ですから不安なときや何か違和感があるときには遠慮せず病院に相談しましょう。元気な赤ちゃんを見るとお母さんも元気になれると思います。

体力的にも精神的にもあまり無理をせずに、妊娠生活を送ってくださいね。

 

妊娠中に知っておきたいこと

【妊娠線画像・妊娠線写真】これはできれば防ぎたい!妊娠中~産後

 

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ぽこ

ぽこ

・熊本大学医学部保健学科看護学専攻卒
・正看護師

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