【ぎっくり腰でコルセット】寝るときは外すのが基本
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ぎっくり腰のコルセット、基本は寝るときに外す
腰痛のとき、どうしてコルセットをつけるのでしょうか?
基本的にコルセットは、腰の筋肉の負担を軽減するために使用します。
ですから、活動している状態の腰痛改善には効果的なのです。
しかし就寝時もつけていると、腰周りの血管やリンパ管を圧迫してしまい、血行不良やリンパの滞りが起こり、治りが遅くなったり、痛みが生じてしまうので、寝るときは外した方が良いと言えるでしょう。
もう少し具体的に、寝るときにコルセットを外した方が良い理由についてお話しします。
寝るときに外した方が良い6つの理由
- 起きているときと違い、腰で体を支える必要がない
- 血流やリンパの流れが悪くなり、治りが遅くなったり痛みが出ることがある
- 内臓の活動に影響が出る
- 腰回りで汗がたまりやすく、むれたりあせもができる(睡眠中も発汗しているので)
- 睡眠の質の低下
- つけている状態が癖になる
といった理由で、就寝時は外すのが基本なんです。
細かく見ていきましょう。
1)起きているときと違い、腰で体を支える必要がない
寝ているときは、腰に過度の負荷はかかりません。
負荷がかかるとしても寝返り程度で、ぎっくり腰を起こしたり、悪化させるような動きではありません。
2)血流やリンパの流れが悪くなり、治りが遅くなったり痛みが出ることがある
コルセットを着けていると、腰周りが圧迫されますよね。
そうするとその付近の血流は少し悪くなります。
血液が、腰を治すために必要な栄養を運んできてくれるのに、それを邪魔することになります。
リンパも圧迫されて、流れが悪くなります。
リンパは老廃物を流してくれているのに、それを邪魔したら老廃物が流れません。
たまった老廃物は脂肪と混ざりセルライトになるか、でっかい吹き出物になるか、とにかくいいことはありません。
3)内臓の活動に影響が出る
コルセットを着けているその下には、腸がありますよね。
圧迫されている状態では、消化が遅れ、胃もたれにつながってしまいます。
4)腰回りで汗がたまりやすく、むれたりあせもができる
コルセットは、素材により保温性が高いものがあります。
長時間の使用で汗がたまり、あせもやかぶれの皮膚トラブルに!
とくに皮膚の弱い方や汗をよくかく人は、コルセットをつけて寝ていると、あせもができます。
あせもがコルセットや衣類に触れて痛むということも起きます。
「整形外科だけでなく、皮膚科に通うことになった…」という事態もありえます。
5)睡眠の質の低下
どのように睡眠の質が低下するのでしょう?
睡眠中の圧迫で睡眠が浅くなり、ストレスの原因となる
寝ているときは、締め付けのない衣服のほうがリラックスできます。
コルセットは衣服以上に締め付けが強いので、眠れなくなったり、浅い眠りになったりします。
知らず知らずに睡眠不足になって、ストレスが溜まっていきます。
汗のかきすぎで脱水症状のおそれもある
汗をかきやすい方は要注意です。
睡眠中でも脱水症状になるんです。
マジックテープ部分がすれて気になることも
体に当たるなどの違和感で睡眠の質の低下もありえます。
また、皮膚トラブルを引き起こす可能性も。
6)つけている状態が癖になる
つけたままの時間が長いと、腰周りの筋力が回復する時間が少なくなってしまいます。
ここで、「じゃあ起きてるときもコルセットしないほうがいいんじゃ」と思われた方、ほぼ正解です。
コルセットは一時しのぎの道具であり、痛みを和らげてくれるだけで、根本的な解決法ではないのです。
コルセットはあくまでも補助です。
例えばですが、自転車の補助輪を外すとき、「補助輪なしで乗れる」という状態になってから外しますか?
違いますよね。
「補助輪なしで走れるかわからないけど外してみる」ですよね。
そして何回か転んで痛い目にあって、乗れるようになる。
コルセットも同じで、コルセットなしで生活できるようになりたいなら、ひとまずコルセットを外してみることです。
「やっぱり痛いな」ということであればまた装着して、ときおり外して様子を見る。
これが大事です。
でも、痛くて動けなかったら社会生活に支障が出ますよね?
高齢者だったら「痛いから動かない」なんてやってると、全身の筋力が低下して、すぐ寝たきりになります。
だから日中はコルセットを着けるんです。
そしてできる限り、就寝時は外しましょう。
「でも寝るときコルセットなしじゃ痛い」という方は、試してもらいたい方法があります。
コルセットを外して寝るときは
コルセットをつけずに楽な寝る姿勢を保つには、クッションや折りたたんだタオルを使うのがおすすめです。
寝方は仰向けで、ポイントは腰とひざ裏。
布団との間に、少し隙間がありますよね。
その隙間をクッションなどで埋めることによって、腰への負担が軽減されます。
腰の下に入れて痛い場合は、ひざ裏だけ入れましょう。
このときのクッションは、あなたにあったもので対応してくださいね。
上の写真のものは、ちょっと厚いです。
タオルなら折りたたんで調整できるので、クッションは薄めのものを使ってタオルで微調整するという方法が便利です。
「それでもやっぱり痛いからコルセットを着けて寝たい」ということであれば、できることがあります。
寝るときにつける場合は、少しでも楽になるよう工夫を
寝るときにつけたい場合は、
- 食事と睡眠の間は長めに、その間コルセットは外しておく
- コルセットをゆるめにつける
- コルセットの素材を見直す
などを考慮すると良いでしょう。
食事のあとはしばらくコルセットを外しておくと、圧迫が減って内蔵が働きやすいですね。
いつもよりゆるめにつければ圧迫感も少なく、食事も内臓を通りやすくなりますよ。
また、血液やリンパの流れの悪化も少なくできます。
コルセットをつけたまま寝るのは基本的にはNGなのですが、「容態が安定するのならOK」という考え方もあります。
とくに高齢の方の場合ですね。
「寝るときは外すもの」と決めつけてしまうことで、腰を楽にするはずのコルセットが余計なトラブルを招くことになりかねません。
痛みに耐えて、眠れなくて、どうなるでしょうか?
寝不足になり、ストレスが溜まっていきます。
ストレスは万病の元ですから、腰以外のところまで悪くなってしまうことにつながります。
基本は「外して寝る」ですが、こだわる必要はありません。
腰と心の状態に応じてコルセットを使っていきましょう。
さて、コルセットの使い方を覚えたところで、今の腰痛が治まったあとはどうしましょうか?
今まで通りに生活していたら、きっと再発しますよね。
「やっと腰痛が治った、コルセットが外れた! でも、またすぐ腰痛になった!」
という人もかなりいます。
「できることならもう腰痛になりたくない」
というのが本音ではないでしょうか?
原因まで知っておくことで早く治せることもありますし、再発を防ぐこともできますよ。
コルセットをしない生活を目指す
どうして腰痛は起きるのでしょうか?
それを知ることが、回復と再発防止への確実な道です。
腰痛のメカニズム
腰痛には、ぎっくり腰のような急性腰痛、そして痛みを繰り返す慢性腰痛があります。
どちらの腰痛も筋肉が炎症を起こしたり、けいれんして痛みを引き起こしているのです。
もちろん、そのほかの病気が疑われることもあるので、まずは受診をおすすめします。
今回は、筋肉が原因による腰痛に注目していきましょう。
筋肉の原因による痛みには3つの種類があります。
- 炎症を起こした痛み
- 筋肉が縮んだまま硬くなった状態による痛み
- 筋肉が硬く、太くなることによる痛み
炎症による痛みの代表が、ぎっくり腰です。
筋繊維が切れて、炎症を起こして痛みが出ていると考えられます。
何もしなくても3~4日ほどで炎症が治まり、痛みも引くことが多いです。
ではなぜ筋繊維が切れてしまったのでしょうか?
- 重いものを持ったとき
- 思ったほど重くもないものを「重いんじゃ」と思って持ち上げたとき
- くしゃみをしたとき
など、不意に腰の筋繊維が傷んでしまうことがあります。
これは外的な要因ですね。
根本には「もともと筋肉が硬くなっていて、切れやすくなっていた」という理由があります。
しばらくすれば修復されて痛みも治まるのですが、痛いときには安静にしたり、コルセットに頼ったりしますよね。
そうすると痛みが引いたあとも筋肉は硬いままですので、そのままにしていると
ということを繰り返してしまいます。
腰痛が慢性化しやすいのは、こういう理由があるのです。
ぎっくり腰を繰り返さないためには、原因となった硬い筋肉を、ゆるめる必要があります。
何ができるでしょうか?
腰の筋肉を緩める腰痛予防のストレッチ
腰の筋肉を緩めるにはストレッチがおすすめです。
簡単なものをひとつご紹介しますね!
- 椅子に座り、背筋を伸ばしたまま上体を前に倒す
- 体を倒すと同時に、緩める側とは逆に体を持っていく
- 筋肉に力が入らないように90秒ほど保つ
- 手を使い、筋肉に力が入らないように、ゆっくり起きる
- これを、左右2、3回繰り返しましょう
腰周りの筋肉が伸びていることを意識しまょう。
痛むときは無理をしないでくださいね。
これはぎっくり腰を繰り返さないためのストレッチですから、痛みが引いてからで大丈夫です!
そして「できれば」ですが、腰周りの筋肉を鍛えるのも有効です。
「鍛えたら筋肉硬くなるんじゃ?」と思われるかもしれませんが、それは誤解です。
筋肉は動かさなければこわばっていきますが、ほどよく伸ばしたり縮めたりしてあげれば、柔軟になります。
ということで、全身を使うスポーツをするのが一番のおすすめです。
今まであまり体を動かしてこなかった人が急に体を動かすのはケガのもとですから、ここで紹介したストレッチに慣れたら、
ラジオ体操を日課にして、そのあとスポーツに取り組んでいきましょう。
ところで、コルセットを外しているときの腰の痛みを簡単に軽減させる方法もあります。
下腹部と太ももに力を入れる
コルセットは、腹部を圧迫して腹圧を高めることで、腰周りを安定させます。
コルセットを外しているときは、自分で意識して腹圧を高めるようにするのです。
息を吸って下腹部を膨らませて、そのあと下腹部は膨らませたまま息を吸ったり吐いたりします。
そうすれば、一時的ですが腰の痛みが和らぎます。
また、太ももに力を入れることも有効です。
太ももに力が入れば、腰を落として動くことができるので、腰への負荷がかなり減らせます。
ということでスクワットで太ももを鍛えることもおすすめしておきます。
私はこれで、ぎっくり腰とサヨナラしました。
まとめ
コルセットは寝るときは外すのが基本です。
そのほうが回復が早くなる場合が多いです。
ただ「痛くて眠れない」というときには、着けたまま寝るのはアリです。
睡眠不足でストレスをためてしまったら、ほかの部分で体調不良を起こします。
あなたの心と体と相談して、寝るときにコルセットを着けたままにするか決めましょう。
とくに着けたまま寝る場合は、コルセットを外す時間を意識的に作っていきましょう。
そのほうが回復が早くなります。
自転車の補助輪を外して練習する機会が多いほうが、早く自転車に乗れるようになるはずですよね。
コルセットもただの補助ですから、同じことです。
ハードな動きをするとき以外は、なるべく外しましょう。
痛みを一時的に抑えたいら、腹圧をかけることと太ももに力を入れることです。
痛みが治まったあとは、再発防止に取り組んでいきましょう。
ストレッチ、ラジオ体操、スクワット、スポーツ…
できる範囲ですすめていきましょう。
それでは、あなたの腰の痛みが楽になり、楽しい毎日を送られることを祈りつつ、この記事を終わります。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!