草冠に委【萎】読み方は“イ・な・しお・しな・しぼ・つか”。意味は本文で。
“萎縮”や“萎える”という表現を見つけたとき、
「何と読むんだろう?」と思い、“草冠に委”と検索しますよね。
上のふたつは、“いしゅく”、“なえる”です。
ほかにも読み方がたくさんありますから、覚えておくと、
どんな使われ方をしていても読めるようになりますよ。
ということで今回は、“萎”の読み方と、そう読むときの意味です。
見出しで拾い読みする?
“萎”の読み方と意味
音読み
“イ”と読みます。
一番目にするのはやはり、最初にお話しした“萎縮(いしゅく)”だと思います。
訓読み
常用の読み方は、“な”だけです。
送り仮名に“える”がつき、“萎える”という動詞になります。
友達を遊びに誘ったときに断られたときなんかは、
「うわー、なえ~」と言う人もいるでしょう。
その“萎え”です。
しかし“萎え”というと相手を責めているように聞こえますので、誘いを断られたときは
「あなたと遊びたい」「あなたが来てくれないと寂しい」と素直に言ったほうが、相手もその言葉を気持ちよく受け取ってくれますし、
「そこまで言うなら行くよ」となりやすいです。
ほかの読み方
- しお
- しな
- しぼ
- つか
は、訓読みですが、常用外です。
萎れる
“萎れる”と書いてあるときは、“しおれる”と読むことが多いです。
「花が萎れる」というイメージです。
“つかれる”と読むこともあり、そう読むときは「疲れる」とほぼ同じ意味です。
さらに「病気になる」というイメージも加わります
萎びる
“萎びる”と書いてあるときは、“しなびる”と読みます。
これは水分が抜けてしわしわになるイメージです。
「萎びたキュウリ」がイメージしやすいでしょうか。
なお、よく聞くのは、「鄙びた(ひなびた)と間違えて覚えてて相手を怒らせてしまった」という話です。
「鄙びた旅館ですね」(※田舎っぽい雰囲気のある、静かで落ち着いた、いい旅館)と褒めるつもりが、
「萎びた旅館ですね」と言ってしまっては、「ボロい旅館」という意味が伝わってしまいます。
それは言われた相手は気を悪くしますよね。
萎む
“萎む”と書かれているときは、“しぼむ”と読みます。
「風船が萎む」というイメージです。
参考:明解漢和辞典 – 三省堂
まとめ
“萎”の読み方は、
“萎縮”なら“いしゅく”
“萎える”なら“なえる”
“萎れる”なら“しおれる”、または“つかれる”
“萎む”なら“しぼむ”
です。
読み方と送り仮名でニュアンスが変わってきますから、
使い分けられれば表現の幅が広がりますね。
そして誘いを断られたときは「萎え~」よりも、
- 「あなたと遊びたい」
- 「あなたが来てくれないと寂しい」
のほうが気持ちが伝わり、
人間関係がスムーズになりますよ。
最後に、くれぐれも「萎びた旅館」なんか言わないように気をつけましょう。
「鄙びた(ひなびた)」です。